実はこれ、行政書士業務じゃありません

コラム

行政書士は「書類作成の専門家」というイメージがありますが、(代書屋と言う方もいらっしゃいます)
実は “なんでも行政書士の仕事” ではありません。
とくに 見守り契約・任意後見契約・死後事務委任契約 など、
高齢期のサポートに関わる場面では誤解が非常に多い分野です。

ここでは、行政書士の業務と、行政書士業務ではない事を
やさしく区分して解説します。


見守り契約は行政書士業務?

結論:NO(行政書士業務ではありません)

見守り契約は、
「定期的に生活状況を確認する」「安否確認を行う」
といった “事実行為” です。

行政書士法が定める独占業務は
官公署に提出する書類の作成とその代理、相談 であり、
見守り行為そのものは法律上の行政書士業務には含まれません。

行政書士として関わることができるのは、
見守り契約書を作成することだけです。
(※契約内容が法令に反しない範囲で)

実際の「見守りをする」という行為は、
行政書士業務ではなく、一般的なサービス提供です。


任意後見契約は行政書士業務?

結論:契約書作成はYES、本件の受任者になることは行政書士業務ではない

任意後見契約は 公正証書で作成する契約 です。
行政書士ができるのは、

  • 任意後見契約の内容に関する相談
  • 契約書案の文案作成
  • 必要資料の準備サポート

これらはすべて行政書士業務に含まれます。

しかし、
その任意後見契約の受任者(将来の後見人)になること
これは、行政書士業務ではありません。

後見の受任は、
行政書士としての業務ではなく、
「一個人として」契約を引き受ける行為になります。


死後事務委任は行政書士業務?

結論:契約書作成はYES、実際の死後事務作業は行政書士業務ではない

死後事務委任契約は、
「死亡後の事務手続き」を第三者に依頼する契約です。

行政書士ができるのは、

  • 契約内容の相談
  • 契約書の作成

などの 書類作成部分のみ です。

しかし、実際に行う

  • 火葬手続き
  • 病院・施設の退去手続き
  • 納骨・供養の手配
  • 家財整理等

こうした 事実行為 は行政書士の業務ではありません。
(※死亡届はそもそも士業かどうかよりも届けられる人が決まっています)

死亡後の実務は「行政書士業務」とは別枠で行うサービスになります。


行政書士が自身で契約の受任をするための「契約書作成」は行政書士業務?

結論:NO(行政書士業務ではありません)

行政書士が自身で引き受けるための、

  • 見守り契約書
  • 任意後見契約書案
  • 死後事務委任契約書

などを「自分と契約者のために作成する」場合……

これは 行政書士業務ではありません。

行政書士の業務は
「依頼者と第三者が結ぶ契約書の作成」
「依頼者からの相談対応」
であり、

当事務所では“自分が当事者になる契約書” は、業務として行う書類作成ではないが、行政書士業務と同等の規定が課せられている。と言う立場で行っています。

また、当事者ではない場合(契約者が本人とご家族などの例)の場合完全に行政書士業務となると言う立場で行います。


まとめ

行政書士業務とそれ以外

実際には各段階で複雑に各法律が絡み合って一言では適切に表せませんが大まかに表にまとめました。

内容行政書士業務?理由
契約内容の相談業務の範囲内
契約書(案)の作成行政書士の書類作成業務
見守り行為そのもの×行政書士業務ではない
任意後見の受任者になる×行政書士業務ではない
死後事務の実行×事実行為であり専門業務ではない
自分が当事者となる契約書作成×業務としての書類作成ではない

おわりに

近年、見守り・後見・死後事務のニーズが高まるなか、
行政書士がどこまで関われるのかが分かりづらくなっています。

行政書士ができるのは
“契約や仕組みを整える部分”

実際の見守りや死後事務などの
“現場での作業” は行政書士業務そのものではありません。

制度づくりのプロとして、
ご本人とご家族が安心できる仕組みを整えることが
行政書士の役割です。

そして

行政書士は民法を学んでいます。また各行政機関等の手続きにも明るくその知識を使って安心確実に行政書士業務以外をすることが出来るのが、行政書士事務所です。